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推進機構の新たな役割

徳島森林づくり推進機構の設立 ~徳島県の森林づくりの中核として~

 森林は、私たちが生きていくうえで欠かすことのできない酸素を生みだし、水源を育むとともに、木材の供給源であり、また多くの野生動植物の生息場所になるなど、人間生活や自然環境のあらゆる面にわたって重要な役割を担っています。
 私たちの安全で快適な暮らしを守るためには、生活全般のバックヤードである森林が、その機能を十分に発揮できるように大切に育て、長期にわたって健全に管理していくことが必要です。

 徳島県の森林面積は、県土の76%にあたる約31万5千ヘクタールです。その大半を占める民有林(29万6千ヘクタール)では、高度経済成長期に、旺盛な木材需要を背景に拡大造林が進み、その62%(18万3千ヘクタール)が、スギ・ヒノキを中心とする人工林となっており、現在では、その過半が木材として利用可能な樹齢に達しています。

禅僧杉(絆の森:海陽町)
 地元では樹齢千年以上とも語り継がれている、海陽町の「禅僧(ぜんぞう)杉」を育んだように、徳島の林業の歴史は古く、県内各地でその土地々々の森林づくりが行われてきました。
 また国有林や公有林が少なく、民有林の8割以上が個人等の所有する「私有林」であることも、徳島の森林の特徴です。

 こうしたことから、下刈り・枝打ち・除間伐など、森林を育て、健全に管理するための作業は、将来の「主伐」による収入への期待に支えられて、森林所有者個々人の財産保全の営みとして、国の補助制度の活用や森林組合への委託により行われてきました。

 しかし近年では、木材価格の長期低迷により、かつてのような主伐による収入を期待できないことから、森林の管理や経営の維持が困難になり、放置された森林の荒廃と、それに起因する水源の枯渇や山地災害の発生などの弊害が危惧されるようになってきました。

 一方、地球温暖化防止のための温室効果ガス吸収源としての役割や、レクリエーションの場、癒やしの場として森林への期待が高まるとともに、森林整備に参加したい、森林で様々な活動をしたい、さらにはカーボンクレジットの発生源としての期待など、森林に対する県民のニーズは多様化しています。

 このような森林を取り巻く課題を解決し、県民のニーズに応えるために平成26年4月1日に「徳島県林業公社」と「とくしま森とみどりの会」が合併し、「公益社団法人徳島森林(もり)づくり推進機構」 発足いたしました。

 「機構」は発足以来、管理の行き届かない恐れがある森林の状況把握、団体や企業など多様な主体の協働による森林整備、「公有林化」の推進、林業の担い手づくりなど、全方位的に徳島の森林づくりに取り組むとともに、令和元年度に圀の森林経営管理制度がスタートしてからは「ハローフォレスト」を開設し、市町村を支援して、所有者自ら経営・管理できない森林の適切な整備を進め、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を目指しています

 当機構の発足と時を同じくして施行された県の「徳島県豊かな森林を守る条例」では、県民それぞれが相互の連携と協力の下、森林整備のための施策を推進することを基本理念としており、私たち機構は、この条例の実行組織として、森林に関するワンストップ窓口となり、管理が行き届かない恐れがある森林の状況把握、各種団体や企業など多様な主体が協働した森林管理、「公有林化」の推進や林業の担い手づくりなど、全方位的に徳島の森林づくりを進めています。
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